今回はよく話題になる「速読」ですが、実はあることができないと、名ばかりの速読になる恐れがあるのです。
速読の技法のひとつである、斜め読みや読み飛ばしは、ある技術を持っていないと、「文字を眺めているだけ」になってしまいます。
それは速読ではありません。文は読まなければ意味がないのです。
ちなみに、フォト読み(1ページを画像としてとらえる)は科学的に不可能なことが証明されていますので、ごく一部の特殊能力を持つ人以外はできません。
今回は夢物語ではなく、地に足のついて読書を見ていきましょう。
目次
速読を習得したいなら、まずこれを習得しよう
そもそも速読をする理由って何ですか?
「早く知識を得たいから?」「時間がないから?」「めんどくさいから?」
どれも不正解です。
速読をする大きな理由は「人生が限られているから」です。
もし、僕たちの寿命が半永久的なら速読をする必要はありません。
その点では「時間がない」という答えは正解かもしれませんね。
どういう意味かと言いますと、速読とは「本当に読むべき本を選ぶため」にするのです。
現在、本というものは、ほぼ無限にありますよね。
それをすべて読むのは、どう考えても無理な話です。
そこで、自分に必要な本や、読む価値のある本を選び、それだけを読む必要があるのです。
その為の速読なのです。
これは大前提なので、是非覚えておいてください。
習得すべき技術とは
そして今回、速読の技術を得る前に、僕たちが身に着けるべき技術は「熟読」です。
「いやいや、しばちゃん。熟読なんて誰でもできるよ」とお思いですか?
甘い!ショートケーキにはちみつをかけ、シロップを垂らしたように甘いです
(想像したら地獄でした。)
僕も熟読の仕方を学び「僕の今までしてきた読書は何だったのか」と思いました。
さて、ここからが、この記事で最も大事なところですよ。
熟読の技法
まず、知りたいと思った分野の本を詳しい人や、書士さんに聞いて3又は、5冊選びます。
(奇数なのは、意見が真っ二つに分かれることを防ぐためです)
ちなみに、選書については、また別の記事で紹介します。
本を用意したら、シャーペンと消しゴム、付箋も用意しておきます。
これだけ準備できたら、OKです。
では、実際に読んでいきましょう!
どれから読むかを見極める
3冊のうち、どれから読むかは重要な問題です。
いきなり、複雑かつ重層化した知識(基礎知識が積み重なることで出てくる知識)を得ようと思っても、謎が深まるばかりです。
では、どうやって最初に読む本を選ぶのか。
それは「本の真ん中のページから読む」のです。
冒頭は読者を引き込もうと、著者や編集者が力を注ぎます。
また、最終部は著者の言いたいことが書かれているため、熱がこもっています。
しかし、真ん中の部分は一番弱い部分とされているため、ここで本の水準を判断することができるのです。
つまり、真ん中の部分を読んで、全然理解できないのであれば、その本は現在の実力で読み解くことはできないため、後回しにするのです。
他の2冊を読み、知識や理解力が上がったところで読むほうが効果的でしょう。
シャーペンを走らせる
本に書き込みをしたくない気持ちは、僕も十分わかります。
大事な本だからこそ、きれいにとっておきたいですよね。
しかし、そんな僕もこの技法を知ってからは、泣く泣く本に書き込みをしています。
重要だと思う部分に線を引くのは、自分の注意が逸れて、他の部分に目がいかず、新しい発見を見逃してしまうのでお勧めはしません。
しかし、自分が疑問に思ったところ、賛成の意見や、反対の意見、その他感想などのコメントを書いておくと、次に読んだときに自分の理解を深めることができます。
また、他の本の関連知識を書き込むことで、新しい視点や別の考えが浮かんでくるため、より質の高い読書ができるようになります。
3回読むことが前提
本に印をつけながら読むのは、1回目の時です。
大事だと思ったところに付箋を貼っていきますが、よくあるのが付箋だらけになってしまうことです。
でも、気にせず読み進めてください。
本を一通り読み切ると、著者が何を言いたかったのか(結論部)を知ることができます。
そして、2回目を読んだとき「これは重要ではなかったな」と思えば、付箋を外していけばいいのです。
その為にボールペンではなく、シャーペンを使うのです。あとで消せますからね。
1回目の読書はここで終わりです。
では2回目は何をするのでしょうか?
残したい部分を囲む
ここでノートを用意します。
ちなみに僕は字を書くのが嫌いなので、PCに打ち込んでいます。
どっちでもいいですが、もし字を書くのが苦手でなければ、手書きをお勧めします。
記憶の定着には字を書く方が、断然いいからです。頑張った感もありますし。
さて、1回目の読書で重要だと思った部分から、より重要だと思ったところを囲みます。
これまた全部囲もうとしがちですが、これに関しては多くても総ページの10分の1にとどめておきましょう。
ノートに書きこんでいく
囲んだ部分をノートに書き写していきます。
その時、わからないことや、疑問に思ったことも一緒に書いておきます。
「なんか大事そうだけど、正直わからん」というようにです。
ここで大事なのは、覚えるために書き写すのではありません。
理解するために書き写すのです。
理解していなければ、覚えていてもそれは「使えない知識」ですから。
仕上げ
3回目を読む前に、その本の結論部分を3回読みます。
どこに結論が書いてあったかは、目次を見ればわかるでしょう。
そして、いよいよ3回目。
通読してみればわかりますが、1回目ではチンプンカンプンだったことが、理解できるようになっているはずです。
結論部分を理解したうえで読むので、補足の説明がどう理解に役立っているのか、何が言いたくてこの文を引用したのか、というのがわかるのです。
こうなると、非常に面白く、勉強になるのです。
他の本は?
1冊目が読み終わったら、当然2冊目に行くわけですが、1冊目ほど時間はかからないでしょう。
理由は簡単で、1冊目を熟読することで、基礎知識がついるため、理解するのに長時間かからないからです。
1冊の本にどれだけ時間をかけるかですが、目安を出してくれています。
1冊目:1回目 自分の基礎知識によるのでまちまち
2回目 約10日
3回目 3~4日
2冊目以降:1回目 2~3日 この時、文を囲むのを同時にする
2回目 1~2日
3回目 1日
驚くべきなのは、熟練した読書家が1冊熟読するのに3週間ほどかける点です。
このレベルの読書をしているのかと知り、僕は自分を恥じたわけです。
初心者の方が、一ヵ月で1冊読むのとはわけが違うのです。
やるかやらないかは自由
と、ここまで「熟読とは何か、そしてその方法は?」について話してきましたが、正直すべての人がこれをする必要はないと思います。
楽しく読みたい人は、楽しく読めばいいし、なんとなく知っておきたい人は、今まで通りさっくり読めばいいと思います。
しかし、熟読はできて損はしません。むしろ大きなメリットになるでしょう。
もし、この記事を読んで「もっと詳しく知りたい!」「自分の読書レベルを上げたい」と思う方は、是非この本を読んだ見てください。
今回の記事はこの本を簡略化し、読書を始めたばかりの人でも、わかるようにまとめたものです。
僕も一人でこの熟読をするのは、心が折れそうなので、一緒に読書の技術を磨いていける仲間ができればいいなと思っています。
それではまた!
コメント