この記事は、臨床工学技士の方々に「いろいろな転職先がある」と知っていただくため、というよりは「何か参考になれば」という気楽な記事です。
読み物としてお楽しみください。
参考までに僕の現在の職歴を・・・(2022年1月現在)
年齢:24歳
学歴:大学卒
経験歴:臨床工学技士 2年目
主な業務:慢性・急性透析、人工呼吸器、補助循環、術中神経モニタリング、デバイス(少々)
こんなどこにでもいる臨床工学技士の転職談です。
臨床工学技士の主な転職先は?
僕の主観ですが、臨床工学技士の転職先というと「他の病院」か「医療機器メーカー」だと思います。
理由は「今やっていることがそのまま使えるから」
事実そうでしょう。
そのため、登録した数々の転職サイトでは、医療機器メーカーの求人が山ほど届きました。
ちらほら「薬品メーカー」もありましたね。
僕も何もわからず「とりあえず話だけでも聞いてみるか」と思い、電話面談を3人ほどとさせていただきましたが、どのエージェントもポジティブな回答でした。
「2年やってれば大丈夫」「診療支援に携わっているなら」等々。
正直、2年では経験は浅いし、厳しいだろうと思ってましたが、そんなことはないようです。
エージェントとの話
「じゃあ、しばちゃんは医療機器メーカーへ行ったのか」と思うかもしれませんが、僕は医療機器メーカー(営業)で働きたくないと思っていたので、全てお断りしました。
僕はデータサイエンティストとして、医療に貢献したいと考えていたからです。
※データサイエンティストとは、統計・数学的手法を用いて、データを分析予測、それをビジネスなどに利活用する専門家(詳しくはググってください)
それを先ほどのエージェント達に伝えると、一気に否定的になりました笑
「未経験でデータサイエンティストは厳しすぎる」「まずは営業から入って社内転職してはどうか」
いやー、変わりようが面白かったですね。
でも、それもそのはずです。
エージェントの方々も自分の得意分野や持っているパイプの種類があるからです。
そして、臨床工学技士に声をかけてくるエージェントは医療機器メーカーへの転職に強い方々です。
ポジショントークになってしまうのもよくわかります。
もし、あなたが医療機器メーカーで働きたいのなら彼らは強い味方になってくれて、転職自体もそんなに難しくないでしょう。
(臨床工学技士からメーカーへの転職話はめちゃくちゃ聞きます)
しかし、僕はちょっと特殊だったので、彼らには頼れませんでした。
行き着いた先は…?
数々の転職サイトに登録し「データサイエンティスト 未経験」なんて採用を探しまくりました。
でも、見つかるのは「自動車関係」「治験」というものばかりで、どうも僕が面白いと思う企業には出会えませんでした。
ちなみに僕が登録したサイトは4つで
「AMBI」「ビズリーチ」「リクナビNEXT」「wantedly」です。
前3つはよくある転職サイトで、エージェントや企業から声がかかるのを待つタイプ。
wantedelyは声をかけられることもあれば、逆に自分から繋がることもできるSNSみたいなサイトです。
そして僕はwantedlyで声をかけていただき、その企業は僕の条件とマッチしていたので、選考へ進み内定をいただきました。
もともと知人繋がりで知っていた企業でしたが、まさか相手側から声をかけていただけるとは思ってませんでした。
なんと言っても、社会人2年目の未経験、つまりポンコツでしたので笑
選考過程での苦労話①
当たり前ですが、選考に進むのに必要なものとして「履歴書」と「職務経歴書」が必要です。
で、これがあり得ないくらい僕を悩ませました。
なんと言っても「書くことがない!!!」
それは僕が全然違う領域への転職を望んでいたからです。
「透析できます」「ECMOできます」全く力になりません。
病院では重宝される技術なのに、社会に出たら一切の価値を持たないのです。
困っちゃいますよね笑
でも、なんとか考えて頭を捻りました。
「今自分がやっていることで、一般社会でも必要とされるスキルはなんだろうか」
すると、いくつか浮かび上がりました。
僕の部署は、新人教育のシステムがなく、たった1つファイルを渡されて「あとは頑張れ」という教育スタイルです。
そのせいで、インシデントが頻回に起こったり、離職率が高かったりと問題が起きていました。
そこで、「教育プログラムつくったろ」と思い、自分で取り掛かりました。
その経験を思い出して、「これなら書けるだろう」と。
他にも、集計をプログラミング使って簡略化したことは強みになるだろう、マニュアルの作成は文書力があることを示すだろう、勉強会の講師はプレゼン力につながるだろう、とかき集めました。
そう、ここで僕が言いたいのは「臨床工学技士は単に業務だけしていたら、病院以外で働けなくなってしまう」ということです。
それを僕は肌に感じました。
業務に集中することがいけないわけではないです。一生病院に尽くすのも素敵な人生でしょう。
ただ、僕のように「他の角度から医療に貢献したい」と思った時、外では全く価値提供できない人になる危険性があることは知っておいて損ではないと思います。
選考過程での苦労話②
書類が通ったら、次は面接です。
言い忘れていましたが、転職エージェントに企業を紹介され、そのルートで選考に進むのなら、エージェントが何から何までサポートしてくれます。
先ほどの書類の校閲や模範的な書き方指導、模擬面接など全部頼めばやってくれます。
ただ、wantedlyで企業から直接声をかけてもらった場合は、もちろんサポートはありません。
ということで、なんのサポートもなかった僕は不安で不安でしょうがなかったです笑
でも、結論から言うと特に苦労もなく内定を貰うことができました。
最も苦労したのは「コーディングのテスト」です。
Web面接でしたが、画面共有して、課題を解くスタイルでしたが、超緊張しました。
そもそも、ど素人の僕がテストなんて解けるのかよって思ってました笑
実際、最初の課題は途中で脱落、難易度を落としてもらってなんとか解答できました。
ここに関しては皆さんの参考にはならないのでこのくらいで。
で、面接がどうして苦労しなかったと言うと、心理学の知識と、深い自己分析があったからだと思ってます。
面接の際、多くの人が「志望理由」や「長所・短所」などを丸暗記し、話すと思います。
しかし、僕は何も覚えることなく、でも理由も強みも話すことができました。
付け焼き刃の言葉より、強い動機、自己理解から生まれる言葉は相手を惹きつけます。
と言うわけで、相手の質問に答えながら、逆に相手に質問して楽しんでました。
「あなたはどういう経緯で御社に入られたのですか?」「実際働く中で、1番楽しいことと、辛いことはなんでしょうか」などなど。
もちろん、会社のホームページを調べて事前に「この人は何が好きか、どの分野に明るいか」などは調査済みでした。
面接というより、尊敬する先輩とお話しさせていただくと言った方がいいでしょう。
てな訳で、面接を無事に終え、内定をもらったわけです。
(これ参考になったのかな?笑)
転職をする上で最もやったこと
めちゃくちゃ人に聞きました!!!
病院の上司なんかではありません。
もし、上司が転職経験ありなら聞く価値はあると思いますが、転職未経験で外とのつながりもなさそうなら、聞かなくていいです。
僕やったのは、実際にその企業で働いている人にお願いして、Zoomしたり、友人の人にデータサイエンティストの人とお話しいただく機会を頼んだり、東京に行ってデータサイエンティストの人に会って話を聞いたりです。
その方々にはもう感謝しかありません。
こんな24の若造に大事な時間を何時間も割いて、転職のアドバイス、自分の失敗談、持っておいた方がいい考え方、何より「転職するならうちにおいでよ」とまで言っていただいたのが嬉しくてたまりませんでした。
転職はとても不安です。
エージェントがいると言っても所詮は相手もビジネスです。ポジショントークになることもあるでしょう。
でも自分の周りで、尊敬する方々が親身になって相談に乗ってくれ、アドバイスをしてくれる、こんなに心強いことはありませんでした。
病院の外に関係を作っておいて、これほど良かったと思ったことはありません。
この記事でいろいろと書きましたが、僕が一番参考にして欲しいのは、この「頼れる人に聞きまくる」ことです。
特に若い人は、自分の経験や知識だけでは考えたれない道がたくさんあります。
転職の有無に関わらず、病院以外に関係を持っておくことを強く勧めます。
まとめ
と、まぁ僕の転職談はこんな感じです。
もし、臨床工学技士から医療機器メーカーに行くのなら、そんなに高い壁ではないと思います。
でも、僕みたいにわがまま言うのなら、普通に働いているだけではかなり厳しいでしょう。
また、僕自身もまだ新しい環境で働いているわけではありません。
この転職が成功か失敗かは誰にもわからないのです。
ただ、僕としてはもし転職しなかった自分と将来比べた時に「転職して良かった」と思えるように頑張るだけです。
別の選択肢を選んだ僕には負けたくありませんので。
それではこの辺で失礼します。
もし、あなたが転職するときは、応援させてください。
コメント